夏のヴァカンスで多くの観光客が訪れるロワールの名城・シャンボール。
お城へ向かう途中にある菩提樹の並木の下ではかわいい地方物産市が行われている。
ぶどうの収穫で忙しくなる前にマダム・ジゼルは自ら造るワインをシャンボールに売りに来る。マダムが造るワインはほとんど知られていない。だからプロモーション(宣伝)も兼ねているようだ。ワインの名称はCoteau du Vendomois(コトー・デュ・ヴァンドモア)と言う。(写真1)
(写真1)
フランス最長の大河ロワール( LOIRE)に並行してその北手をロワー(LOIR)と言う川が流れている。川はヴァンドーム(Vendome)の町を過ぎるとなだらかな丘を造りぶどう栽培に適している。この丘陵をCoteau du Vendomoisと呼びワインの名称にもなっている。丘陵にある小さな村Lunay(リュネー)からマダム・ジゼルはロワール河を越えてシャンボール城までやって来る。
マダムが造っている赤ワインはザクロ色にややレンガ色が添えられて、口に酸味のあるしっかりした手ごたえを感じさせる。ブドウの木の品種はブルゴーニュ地方で使われるピノ・ノワールやボルドー地方のカベルネ・フロンで、それに加えて珍しいピノ・ドニス( Pineau d'aunis)を使っている。マダムのワインの美味しさの秘密はどうやら最後の品種にあるようだ。熱いCivet de lievre(シヴェ・ドゥ・リエーヴル・玉ねぎやマッシュルームなどと赤ワインで煮込んだ野兎のシチュー)に合うと言う。一方、白の方は蜂蜜やアカシアの香りがあり口に爽やかだ。クリーミーなチキン料理に合うと言う。またパンフレット(写真2)を見ても分かるようにマダム・ジゼルはロワール地方の名物ヤギのチーズも自ら造っている。白ワインはこのヤギのチーズとも相性が良いそうだ。