オルセー美術館で人気の高い作品<ムーラン・ド・ラ・ギャレットMoulin de la Galette>(ルノアール作)は若者たちが集まる社交の場の雰囲気を見事に表現した絵ですが、絵の奥の方でガレットを売っている風景を鑑賞できます。ガレットとはソバ粉で作るクレープ料理のことです。美味しくてしかも高くない料理ですので若者たち、特に女性に人気があります。
ガレット料理と言えばブルターニュ地方の料理のことです。ブルターニュはノルマンデイー地方と昔モン・サン・ミッシェルを争ってきたという歴史を持っています。ゲルマン民族・アングロ・サクソン人がブリテンの島(今のイングランド)に侵入してきたためにケルト人であるブリテン人が海を渡って移住し創り上げていった国がブルターニュ公国でした。したがってモン・サン・ミッシェルにもケルト・ブリテン的なものが多くあります。ガレット料理もその一つですのでモン・サン・ミッシェルでのお勧め料理になります。
ブルターニュの土地は小麦が育ちにくい痩せた土地ですのでどこでも生えるソバを栽培して来ました。このソバ粉から作ったクレープ料理がガレットなのです。一般的に現地の人達が好むガレット料理は栄養たっぷりで美味しくしかも手ごろな値段のガレット・コンプレット(Galette complete)です。コンプレットとは全て揃っているという意味ですのでブルトン人にとってはハム、チーズ、半熟玉子のガレットが一番ということになります。実際、この3っの素材は良く調和して美味しく、暖かいソバ粉の生地が一段と風味を添えてくれます。パンなどはもちろん付きません。またこの地方は湿気が多いため、ブドウは実りませんがその代わりにリンゴが実り、シードル(Cidreリンゴ酒)を醸造しています。シードルはガレットにピッタリと合いますので、<ガレットにはシードル>と言うことになります(写真1)。
シードルはアルコール度数最高で5度ですので女性にもお勧めです。シャンペンと同じように辛口(brut)と甘口(doux)があります。料理自体に甘みがありますのでお勧めはBrutです。またシードルを頼みますとガレット専門店ではまちがいなく素朴な陶器の器(bolボール)にシードルを注いでくれます。
パリでクレープ料理専門店に行きたければブルターニュ地方から列車が着くモンパルナス駅周辺が一番でしょう。特にモンパルナス通り(rue Monparnasse)には10軒ほどのお店が並んでいます。おいしい店は?勿論!、、、、、、、、、客の多い店です。
第3位;ムール・マリニエール(Moules marinieres)
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