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■新!<モナリザ>出現!


 昨年(2011)880万人もの入場を記録したルーブル美術館。おそらくフランスのみならずヨーロッパで最も美術愛好家を惹き付けるミュージアムでしょう。この人気の秘密はモナリザ以外に考えられません。モナリザの<神秘の微笑み>は今でも多くの人達を引きつけているようです。16世紀初頭、レオナルド・ダ・ヴィンチによって描かれたモナリザは、以来多くのコピーが為されて来ました。そしてコピー故にほとんど注目されてきませんでした。しかし今、スペイン・プラド美術館に眠っていたコピーが大変な注目を浴びています。プラド美術館のイタリア絵画部門ディレクターが「この模写は師匠が制作しているときに同時に弟子によって描かれている」と発表したからです。



写真 1

 そして、、、マスコミに掲載された新モナ・リザ(写真1)を見てビックリ!そこにモナ・リザに瓜二つの姉妹がいたからです。500年の歳月を経て色彩が褪せて行った本物に対して保管され光にさらされなかった新モナ・リザは鮮やかな色彩を放っています。とくに本物とまったく違っているために眼を引きつける色彩は袖の赤です。それに何という高貴でふくよかなビロードの赤色でしょうか。そして唇と頬に紅が付いている!また、本物とのわずかな違いを見つけるとすれば顔や手がやや大きいこと、薄く眉が描かれていること、やや目じりが下がっていること、風景が左右繋がっていることなどです。勿論、<微笑の妙>はダ・ヴィンチに及びません。師匠の技には及ばないのは当然にしても、新モナ・リザの魅力は本物に比べて若く見え、陽気で、活発で、楽しそうなことです(写真2)。モナ・リザ制作中のダ・ヴィンチの傍らで弟子が模写していたなんてことを想像するだけでイタリア・ルネッサンス時代の活発なアトリエ風景を垣間見ることができそうです。ダ・ヴィンチの背中の熱を感じ取れるような気がします。


写真 2

 新モナ・リザの出現によって今まで謎の多かったモナ・リザ解釈へ新しいアプローチが出来ること請け合いです。3月29日から始まる展示会<SAINTE ANNE;L'ULTIME CHEF-D'OEUVRE DE LEONARD DE VINCI サン・タンヌ;レオナルド・ダ・ヴィンチ最後の傑作>(写真3)で新モナ・リザは紹介されるということです。展示会開催中(6月25日迄)、妹は姉の人気を奪う程にパリジャン達を魅了するかも知れませんね。



写真 3

( 2012 パリ・ガイド協会HP文化部)




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