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■ドラクロワ美術館 Musee Eugene Delacroix

ルーヴル美術館の入場キップで見学可能になりました。
6、rue de Furstenberg 75006 Paris メトロ:Saint Germain-des-Pres
入場料:5ユーロ 9時30分〜17時
休館日:火曜日、1月1日、5月1日、12月25日


  ルーヴル美術館の見学の後、その同じ入場券で今年2004年1月から見学が可能になりました。
  ロマン派の巨匠 ウジェーヌ・ドラクロワ(1798年〜1863年)が晩年に住んだアトリエと住居だった所です。
  ドラクロワはパリであちこちとアトリエを引越ししていますが、ピアニストのショパンやその恋人だったジョルジュ・サンドと親交を結んでいた頃は彼らの住まいに近いセーヌの右岸9区(54,rue Notre-Dame de Lorette)にアトリエを構えていたのです。
  そこからパリ市庁舎やルーヴル宮殿のアポロンの間の天井画の製作に通っていたのですが1849年(ショパンが亡くなった年)左岸のサン・シュルピス教会の壁画装飾に着手すると、より近い所にとこのアトリエに1857年移り住みます。
  既に病(結核)にあり遠くから通う事を避けたかったようです。画家自らアトリエの設計を指示し『私のアトリエはとても気に入っている、ここでは良く仕事が出来る』と手紙に書き残しています。今はかっての寝室、居間、図書室に彼の作品や思い出の品が展示されています。

  住居部を出ると階段で中庭に出ますがその途中に小さく【ATELIER】のパネルがある扉を開けると多くの晩年の作品が生まれ、構想が練られたアトリエです。
  天井は今は電動式で日除けカーテンがこまめに開閉します。『ハムレットに扮した自画像』は名門出身の画家の若き日の私生活をちょっと垣間見たような気がするのです。
  絵の具箱、身の回りの品などがこの偉大な芸術家の不在を訴えているかのようです。階段に戻り中庭に降り立つとここがサンジジェルマン・デ・プレのど真ん中とは信じられない静けさです。
  無限の忍耐と精進、一人の弟子も取らず、厳格に孤高の生涯を守り通した高貴な人格、、、、、。独身を通したドラクロワは1863年8月13日 唯一の同居人 忠節を尽くした老家政婦ジェニーただ一人に見守られて65歳の生涯を閉じます。
  彼が息を引き取った寝室にはそのジェニー(Jenny Le Guillou)の肖像が掛かっています。画家の告別式が行われたサン・ジェルマン・デプレ教会、最晩年の大作の壁画のあるサン・スュルピス教会は歩いてすぐそこにあります。
  そして、死後催された回顧展での収益で製作された『ドラクロワのモニュメント』はわずか徒歩数分のリュクサンブルグ公園の彫刻郡の中でも最も美しいものです。


ボレル 大平 真理子
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