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■オルセー美術館 Musee d'orsay

  1900年.、万国博覧会へ訪れる人々を運ぶ駅舎とその駅を包み込むように豪華かな雰囲気のホテルが作られました。当時まるで美術館のように美しい建物と評価され、建築家ヴィクトール・ラルーによるその建造物は86年後.本当に美術館となりました。作品展示の為の内部改装を担当したのはイタリアの女流建築家、ガエ・オランチィです。ー展示作品は原則として1848年−1919年、 すなわちルーブル美術館と国立近代美術館・ポンピドーセンターの間を繋ぐ時代に制作されたものが置かれている。
ホテル時代のレストランはそのまま美術館のレストランとして使われています





☆ドーミエ、オノレ(1808−79)Honore DAUMIER
  鋭い観察眼を持ち、辛らつ且つ率直な表現と斬新で力強い手法は同世代の新しい芸術を模索する画家達の関心の的となる。浪漫派と写実主義の掛け橋となる多角的天才である。


「洗濯女」

☆コロー、ジャン・バプチスト・カミーユ(1796−1875)
Jean-Baptiste-Camil COROT
  イタリアで古典を学び、パリ近郊の自然をテーマに淡い銀色に煙る詩的な叙情あふれる風景を描きました。代表作の多くはルーブル美術館に所蔵されている。


「朝=ニンフの踊り」

☆ルソー、テオドール(1812−67)Theodore ROUSSEAU
  自然の偉大なる生命力に惹かれ、パリ郊外やフォンテーヌブローの森を描きバルビゾン派の中心人物となる。ルソーのアトリエだった納屋はバルビゾン派美術館となっている。


<道=リラダンの森>

☆ミレー、ジャン・フランソワ(1814−75)
Jean-Francois MILLET
  テオドール・ルソーと並びバルビゾン派の代表画家となるミレーは自然の中で生きる人間を作品の主題テーマとする。モニュメンタルに画面の大半をしめて描かれた農民の姿に尊厳を与え、逞しくもつつましく敬虔に生きる農民を称えた。こうしてフランス絵画において、始めて働く農民が絵画の主人公になった。バルビゾンのアトリエ家、見学可。


<グレヴィルの教会>
<落穂拾い>

☆クールベ、ギュスターヴ(1819−77) Gustave COURBET
  あるものを自然に何の虚飾も加えず、そのあるがにまま描くという真摯な姿勢は、作品に崇高さを与える。何の変哲もない日常が、素晴らしい模写と美しい色彩により、芸術にまで高められて行った。


<オルナンの埋葬>

☆マネ、エドワール(1832−83)Edouart MANET
  古い古典にテーマを取りながら、伝統的な技法を無視した自由な筆使いと19世紀の新しい芸術を切り開くため、アカデミックな世界に挑戦を挑んだマネの作品は当時大変なスキャンダルとなった。 


<草上の昼食>


<オリンピア>

☆モネ、クロード(1840−1926)Claude MONET
  印象、すなわち光の即興的現象を追い求め、光のシンフォニーは美しい色の洪水となって画面に溢れ出る。瞬間の現象を捉え描こうとする彼の制作は、同じモチーフを季節や天候、時間によって違っていく光に因るシリーズを生み出した。この絵画的表現は形態を分解させ、抽象的様相をすら帯びてくる。ジベルニイのアトリエと庭、見学可。


<青い睡蓮>


<日傘をさす女>

☆ルノワール、ピエール・オーギュスト(1841−1919)
Pierre-Auguste RENOIR
  モネと同じように印象派の代表画家であるが、形態を分解して行く事には疑問を感じ、自分なりの表現を追及する。形態と線は柔らかい色彩に譲られて、軽やかな筆使いと暖かい色調で独自の世界を創り出す。 


<浴女達>


<ムーラン・ド・ラ・ギャレット>

☆ピサロ、カミーユ(1830−1903) Camille PISSARRO
  光をテーマとする印象派の一人であるが、構図が幾何学的な分割で表され、光は描かれた空間の中で戯れる。色の戯れは形態の中で筆触分割となっていく、そしてそれは点描主義へと発展していく。 


「エルミタージュの丘=ポントワーズ」、「自画像」

☆シスレイ、アルフレッド(1839−99) Alfred SISLEY
  印象派の中にあって、あくまでも形態による画面構成を大切にし構造を重んじた。また、明るい太陽の光ではなく、穏やかな淡い光を好み、その繊細な光のヴァリエーションは静寂の世界の中に溶け込んでいく。


雪のルーヴェシエンヌ

☆セザンヌ、ポール(1839−1906) Paul CEZANNE
  光の戯れが創り出す偶然の効果と色彩のヴァリエーションをテーマとする意味において、印象派の一人である。、伝統的な遠近法を放棄し、新しい画面構成による遠近法のシステムを探索し、熟慮された構図の中で線とヴォリュームの研究に取り組んだ。エクサン・プロヴァンスのアトリエ見学可。


玉ねぎのある静物


スープ鉢のある静物

☆モロー、ギュスターヴ(1826−98) Gustave MOREAU
  物憂げな優雅さの独自な作風は、細密画的、装飾的細部の特異性において表され、象徴主義への第一歩となる。美術学校の教授であったが、彼の教室からマチス、マルケ、ルオーなどが生まれた。彼のアトリエは国に寄贈され美術館となる。ラ・ロシュフコー通り14番地。



☆ピュヴィ・ド・シャヴァンヌ、ピエール(1824−98)
Pierre PUVIS DE CHAVANNES
  シンプルに単純化した構図の中に静かな詩的世界が広がる。淡いトーンの色調は気品と格調高く、あらゆるジャンルの人々の賞賛を得た。アミアン、マルセイユ、リヨン、ルーアンの各美術館、ポアチエとパリの市庁舎、パリ大学ソルボンヌ、パンテオンに大装飾の壁画がある。


貧しき漁師

☆ドガ、エドガー(1834−1914)Edgar DEGAS
  瞬間と現実の刹那性を追求し、印象派に共鳴はしていたが構築的な構図を大切にし、自然より人工的な生活をテーマに選んだ。彼は彫刻も手掛けるがそれは描く対象物をより理解するため、又彼自身の楽しみのためでもあり新しいテクニックに大胆な挑戦を試みた。


14歳の小さな踊り子

☆ルドン、オヂィロン(1840−1916)Odilon REDON
  幻想的なヴィジョン、夢のような無意識の世界を、豊かなひろがりをもつ色彩で表現する。神秘的な象徴主義的主題、内なる瞑想の世界を描いた。


貝殻

☆ゴーギャン、ポール(1848−1903) Paul GAUGUIN
アルテクスの記事<ゴーギャン・プリミチヴへの旅>参照



☆ヴァン・ゴッホ、ヴィンセント(1853−1890)
Vincent VAN GOGH
  動揺のパリの画壇19世紀をそっくり、全てそのまま自分の世界として受け止めた。.すなわちミレーの働く農民への賛歌、クールベの自然主義、マネの大胆な挑戦、印象派のテーマである光、セザンヌの遠近法の探索、ゴーギャンとエミール・ベルナールの「クロワニズム」、日本開国により当時の潮流とも言える日本の版画・浮世絵からの影響等、を彼独自の筆のタッチで震動する特異な表現の中におさめた。


自画像


昼寝、ジーヌ婦人

☆スーラー、ジョルジュ(1859−1891) Georges SEURAT
  色の純粋性を強調するため、絵の具をパレットの上で混ぜないで直接キャンバスの上に置くという方法はすでに印象派の画家によって取られていた。それを一歩推し進め、科学的色彩論により統合的に全体を筆の点だけで組たてる点描の技法を考案、スーラーを中心とする新印象派が生まれる。


サーカス

☆トゥールーズ=ロートレック、アンリ・ド(1864−1901)
Henri de TOULOUSE-LAUTREC
  パリの夜、当時のモンマルトルの生活、華やかな虚飾の世界で生きる人々の姿に魅せられ、その存在の真実を描きだす。画面を構成するうえで必要だと思うものだけを、独特な構図とすばやい筆のタッチで制作した。 


エジプトの舞姫

☆シニャック、ポール(1863−1935) Paul SIGNAC
  スラーの後、クロスと並び新印象主義の代表画家となる。コントラストを高め、分割主義の理論を最も推し進めていくが、彼の求めたものは色彩の探求であり、分解されていく色を自由な点描タッチで巧妙な構図におさめた。


赤いブイ



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