TOPページ  >>  フランスの地方、豊かなる大地へ  >> リヨン(LYON)にできた画期的!MUSEE


■リヨン(LYON)にできた画期的!MUSEE

 フランス第3の都市でグルメの町でも知られるリヨン(LYON)に人眼を奪う建築のミュゼ(博物館)が完成しました(写真1)。昨年(2014)クリスマス前に落成式がありましたのはこのミュゼが文字通り子供たちをも楽しくさせてくれる(amuser)新しいタイプの博物館であることを物語るかと思います。
 その正式の名称はMusee des Confluences。リヨンが古代ローマ時代から繁栄し今でも活気ある都市であるのは二つの大河が合流しているところにあります。ローヌ(Rhone)はスイスの山脈アルプスから、ソーヌ(Saone)はブルゴーニュの大地から大自然の富を運び、人々を交流させて来ました。またソーヌを呑み込み大河となったローヌは地中海に注ぎ、ヨーロッパ文明の揺りかごである地中海の豊穣な文化が遡って来ました。この二つの大河がまさに合流する所(confluences、写真2)に新ミュゼは出来たのです。
 

写真1
 
 したがってこのミュゼのエスプリはその名も示すように<合流し集まる>文化・文明と言うことになります。そして大河のように淀まずに流れながら<創造>して行くということかと思います。そのレヴェルはフランスにのみ留まらず世界・人類的な規模と言うスタンスですからかなり大胆なエスプリを持った博物館と言うことになります。
 4部門に分けられたテーマは<世界の起源の物語>、<人類のアイデンティティー>、<人類の交流と共生>、<永遠の生を求めて>。この主要な部門は3階にありそれぞれ21,22,23,24と入口に大きな番号が付けられています。いずれも子供たちの興味をそそるようなエスプリが博物館には感じられます。
 

写真2
 
 チケット売り場は階段を上がり2階ですがこの階は企画展示会に当てられています。その第1弾として開国時の日本を訪問し膨大なコレクションを為したエミール・ギメ(Emile Guimet)のLes tresors d’Emile Guimet(エミール・ギメの秘宝)展が催されています。これは私達にとりまして大変に興味深い企画展かと思います。パリのギメ博物館にはない日本の財宝が展示されているからです。
エミール・ギメ(1836-1918)はリヨン生まれの実業家で、化学者の父が超高価な顔料ウルトラマリン(展示中)の人工精製に成功し財を為した後、その父の会社を後継し莫大な富を持ってアジアを歴訪しながら無数の歴史・文化・芸術的作品を蒐集した人物として知られています。そして自らリヨンとパリに博物館を設立しました。
 この企画展は7月26日まで。グルメを兼ねてTGV・日帰りリヨン・新博物館見学の旅を企画されたら如何でしょうか?新ミュゼの最上階4階には眺めの良いレストランも備えられています。
新博物館の建築は非常に斬新でオーストリア設計事務所Coop Himmelb(l)auの作品。クリスタルと雲、ミネラルと空を連結するようなイマジネーションのもとに設計されたそうです。2つの大河がまさに接するところにあるMusee des Confluencesはリヨンの空に既に溶け込んでいるかのようです。

           www.museedesconfluences.fr   tel ; 04 28 38 11 90

(付記)
museeに行くにはT1(路面電車Tramway1)が便利。T1は中心駅Gare Part-DieuとPerracheを結びます。
TGV・Gare Part-Dieuから地下鉄Bに乗り換えDebourg駅(サッカー球技場Stade de Gerlandの一駅前)で出るとT1の始発。降りるT1 ストップはMusee des confluences。 全交通機関乗り放題の一日券(5.5ユーロ)が便利、エコノミック。

興味を募らせるレストラン
〇Brasserie Georges(ヨーロッパ最大、ぺラッシュ駅裏) 
〇Cafe des Federations(市庁舎広場裏、リヨン伝統料理レストラン・いわゆるブッション)
〇Au 14 Fevrier(日本人シェフ、1つ星。登山電車駅裏)
 
パリ・ガイド通訳協会HP文化部
 



本サイトはフランス日本語ガイド通訳協会(AGIJ)の公式サイトです。
紹介頂く分にはリンクフリーですが、個々の記事、写真等の無断転載はお断りします。