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■ルーヴル・ランス美術館を訪れて

ルーヴル・ランス(LOUVRE・LENS)美術館は、パリから北におよそ200km、北駅からTGVで1時間15分+シャトルバス(駅出て左100m、20分置き)を利用して簡単に行ける、パリルーヴルの分館です。
 Lensランス市の現在の人口約36000人、炭鉱で栄えていた町でしたが、第一次・第二次大戦で大被害を蒙り、炭鉱は60年代に閉鎖され、観光資源の乏しい過疎の地でした。ところが、2012年12月オープンから一年で90万人(うち2割が外国人)の見学者が訪れる美術館のある町へと生まれ変わりました。
 この敷地は、2012年にユネスコ世界遺産に登録された<ノール・パ・ド・カレ鉱山盆地>の一部です。美術館から双子のぼた山も見えます。
 美術館の建物は、ガラスとアルミニウム建築でありながら、優しい印象で控えめ、緑に囲まれた日本のお寺・聖域に入ったような感じがする、と言われています。ノール・パ・ド・カレの空の色に溶け合い、景色がアルミに反射し、明るくシンプルで開放的、存在感がありながら軽快で繊細、自然と調和がとれています。この建物は国際建築コンペで選ばれたSANAA建築ユニット・日本人建築家妹島和世(せじまかずよ)氏と西沢立衛氏(写真1)の設計であり、彼らは現在パリサマリテーヌデパートの改修工事にも携わっている、国際的名声を持つ日本を代表する建築家です。
 

写真1
 
古代エジプト紀元前3000年から1850年代までの絵画・彫刻・工芸品など約200点は、長さ120mの<Galerie du Temps時のギャラリー>に展示され、古代・中世・近世と3つの年代区分です。絵が壁にかかっていない革新的な展示方法がとられ、学習的な体験ができる美術館でもあります。アルミニウムの壁には、年代がさりげなく示され、歴史と美術が同一線上に置かれ、同時代の異なる国の作品を比較し、共通点を見出そうする試みがなされています。例えば、古代文明では、中東・地中海世界・エジプトという枠組みのなか、美術の流れや文化・技法などの交流があったことが目で見てわかる展示が興味深いと思いました。
 特別展覧室では、5月末から世界大戦関連の展覧会も予定されています(今年2014年は第一次大戦100周年・第二次世界大戦70周年)。
 敷地内別棟にはレストラン<Atelier Marc Meurin >があります。予約要。テラス席もあり、建物を見ながらとても美味しい料理を食べることができます。コストパフォーマンスに適っていますし、急いでいるときは早めにサービスして、と頼んでみてください、とても親切に応対してくれます。
 建築・美術鑑賞+美味しいランチ、三拍子揃ったルーブル・ランスプチ旅行になるでしょう。  (LENS新ルーブル美術館を訪れた協会会員2人の新鮮な感動と臨場感溢れる報告投稿記事です。パリのルーブル美術館ではレセプション大ホールにLENS新美術館へ誘う大パネルが展示されています(写真2)。
 

写真2
 
LENS美術館; オープン 10:00~18:00(火曜日と5月1日休館)
    10:00~22:00(第一金曜日)
  チケット 常設展無料(2014年まで)
    特別展  9ユーロ
  イヤフォンガイド 無料(仏、英、オランダ語)
Atelier Marc Meurin  tel; 0321182490
 

パリ・ガイド通訳協会HP文化部



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