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■ノルマンディーワインを味わいましたか?

 
ノルマンディー地方はよく雨が降ります。そのために草が柔らかく伸び伸びと育ち緑豊かな牧草地を誇っています。高速道路沿いからの景色も緑いっぱいで牛たちが日長一日のんびりと草を食んでいる風景を見ますとつい車のスピードを緩めたくなります。特にノルマンディーを代表するイメージは海が近づく頃から展開されます。それはリンゴ畑の木の下で草喰む牛の群れです。そこはもうカルバドス県でリンゴの質が一番すぐれており、シードル(りんご酒)を蒸留したブランディーをカルバドスと呼ぶぐらいです。雨の多いノルマンディーの銘酒はシードルとカルバドスに尽きます。
ところがこのカルバドス県でワインを作っているムッシューがいるから驚きです。サムソン(Samson)さんはカン大学で法学を学んでいたころノルマンディーの土地に関する研究を進めながらルイ15世の公認地理学者がブドウ畑の村を記述していることを発見しました。また教会の記録にも同じことが述べられておりグリズィー(GRISY)の村に<ソレイユSoleil>と言われるぶどう畑があったことを確信しました。そこは小高い丘になっており水はけがよく南向きで朝から太陽の光を浴び、ぶどうに適した地質だったのです。
 

写真1
 
もともとワインやガストロノミーに興味を抱いていたサムソンさんは公証人の仕事をしながらワイン学も修め、ついに<Soleil>を所有することになります。1995年からブドウの若木を植え、4年後に生産し初め、ついにノルマンディーワインを復活させることに成功したのです(写真1)。ノルマンディーのレストラン関係者やグルメ達が喜んだのは言うまでもありません。ムッシュー・サムソンのワインは寒冷多雨の地方で生産されるために赤より白ワインが主です。赤ワインはブルゴーニュの品種ピノ・ノワールを、白には5種類の品種、例えばシャルドネー、ソーヴィニョン、オーセロワなどを使っています。
ムッシュー・サムソンのワインはリゾートタウンのカブール(Cabourg)やドーヴィル(Deauville)の高級ホテルやグルメレストランでソムリエが誇りを持って紹介するワインになっています。ボルドーやブルゴーニュでもない地元ノルマンディーのワインですから。ちなみにワインの名前はArpents du Soleil(太陽が所有するわずかばかりの畑)です(写真2)。
GRISY村は中心都市カン(CAEN)から南東に20数km下り、St.Pierre sur Dives町の近くにあります。
www.arpents-du-soleil.com
 

写真2
 
カン大学時代法学 土地を調べながら、ノルマンデーにもワインを知る、公証人になる
1995土地取得
ぶどう畑があったことを知る。
ルイ15の公式地理学者が記録している唯一のノルマンデーぶどう畑

協会HP文化部



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