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■シリーズ <ヴォー・ル・ヴィコント>(6)



  ルイ14世王の嫉妬を買ってしまったほどのヴォー・ル・ヴィコント城。その城主は時の権力者・フーケ財務長官でした。フーケ財務長官は、近くのお城に逗留中のルイ14世をできたてのヴォー城に招待し、贅を尽くしたもてなしをします。宴が進むごとに、自らのお城をまだ持っていなかった誇り高き王は嫉妬をますます募らせていきます。やがてフーケ財務長官はイカルスの如く栄光の頂から墜落していくのです。
  ところで、ヴォーのお城を訪問しますと壁、内部装飾、天井などいたるところにリスの姿を見つけることができます。実は、リスがフーケ財務長官の家紋なのです。フランス王国一の実権者フーケともあろう者がかわいらしいリスを使うなど身分にふさわしくないように思われます。<フーケFouquet>という言葉が出身地の言葉ではリスを表わすためリスを紋章にしたのです。
  現在、お城は個人所有であるために、城主はファミリアルな企画を常時試みています。特に納屋を改造してできたレストランL'Ecureuil(エキュロイユ 仏語でリス)では家族そろってゆっくり食事ができるようになっています。お城で一日ゆっくり過ごして欲しいというもてなしの心から作られているレストランです。







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