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■パリのエコロジック風景(3)

Velib’(貸し自転車システム)に大成功を収めたパリ市は更に1年前(2011)から貸し自動車も始めた。もちろん車は電動である。管理は専門の会社に任せているが、基本料金1万5千円程を支払い、インテーネットであらかじめ予約すると好みのパーキングから目的地のパーキングまで移動できる。駐車場のきわめて少ない都市で自動車(auto)を自由自在(libre)に運転できるシステムをヴェリブにならってオートリブ(autolib)と呼ぶ。これで車を所有することなく必要な時だけオートリブ車で移動できるわけだ。オートリブは始まったばかりだが、パリジャン達が必要以上に車を所有せず、使わない事を将来目指している。現在1700台をパリジャンは使用できるが、将来は3000台を目指している。このシステムは世界で最初のものでソウル市を始め世界が注目している。(写真6)
 

写真6
 
パリのエコロジック政策は最近もまた大胆な試みをした。かつてノンストップで車が走れた右岸沿いの道路に信号機を設置したのである。歩行者が自由にセーヌを横断できるようにする政策だ。写真7の信号機では向こう岸にオルセー美術館が見えるが、このシグナルのお陰で美術館の方へ安全に行けるようになった。押しボタン式の信号が赤になると車は一時ストップし人はチュイルリー公園を横切って左岸へ渡れるようになった。急がないパリ、騒音の少ない都市もまたエコ政策の一つであろう。
 

写真7
 
そしてついに最近、制限時速30km道路までが登場した(写真8)。ウイークエンドだけ歩行者天国になっているオルセー美術館下のセーヌ沿い道路に、11月、30km制限時速の看板が登場した。普通、市内の最高速度は50kmであるから、これは画期的な試みで、将来は市内全部がその様になる可能性さえある。
 

写真8
 
2000年来、パリはエコロジック政策を矢継ぎ早に打ち出し、人間にとって居心地の良い<都市パラダイス>を創りだそうと考えているようだ。オートリブ車のボデーに書かれている<libre comme l'air 空気のように自由な>都市造りを目指している。

協会HP文化部
 

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