ヴァカンスのシーズンだけセーヌ川沿いに出現する<パリ海岸>。エコロジー政策の一環として毎年夏、<Paris Plageパリ海岸>を造り始めて今年で10年になる。フランス大革命祭(巴里祭・7月14日)が過ぎてヴァカンスがたけなわになり、パリジャン達が海や山に一斉に出掛ける頃、大都市・パリに海岸が出現する。ヴァカンスに行かない人や行けない子供たちにとってパリ海岸は夏のヴァカンスをパリで過ごせる絶好のスポットになった。
日頃は車がノンストップで走るセーヌ川沿いの道路には砂が運ばれ道路は素早く海岸に変身する。砂地にはシュロの木を植え、パラソルや旗を立て、デッキチエァーを並べ、遊び場を造り、ミストシャワーや飲料店が設置される。今年、朝は太極拳体操、夕暮れはダンス教室も企画された。
この様にしてパリ最古の橋ポン・ナフ(写真1)や封建王のお城(写真2)も排気ガスによる空気汚染から救われることになるというわけだ。セーヌは将来もますますパリジャン達のものになっていくだろう。かつてパリジャン達が身近にしていたセーヌを車社会から奪い返すのである。 |