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■モンサンミッシェルを 海に帰す大工事始まる!

大工事始まる

水門

新水門
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19世紀の後半期に堤防道路によって陸地と結ばれてしまったモンサンミッシェルを再び海に帰す大工事が本格的に始まりました。ご覧の写真はクエノン川にある水門の取り壊しと新水門を設置するための工事現場を紹介しています。6月半ばにフランス共和国首相を招いての竣工式は、2012年向けてのヨーロッパ最大クラスの歴史的計画が本格的に始まったことを告げました。
新水門の建設目的は、自然を変えてしまったために満ち潮が運んでくる沈積物を帰す能力を失ったモンサンミッシェル湾にそうした力を人工的にでも与えることです。新水門には8つのスルーゲートが設けられそれぞれが三日月型の扉を時計の振り子のように振って満干に応じた開閉を行なうシステムです。水門は満潮の一時間前に閉められて海が沈積物を陸に運んでくるのを防ぎ、満潮十分前に扉の上部を僅かづつ下へ振って開門していき、沈積物を含んでいない潮水をクエノン川に入れて行きます。水門を挟んで海側と川側の水位が同じになったとき三日月扉は川底に消えたような状態になり、この時、魚たちは行き交うことができます。やがて扉は再び閉められてクエノン川の方に水が溜められます。満潮が過ぎて6時間後には、今度は逆に扉の下部を僅かづつ上に振って開門していき、溜められたクエノン川の水を徐々に海の方に流します。このような繰り返しによって海が運んできた沈積物は海に帰され陸地化せず、島へと陸地が迫ることを防ぎます。
また、新水門の設計は機能性のみを追及しておらず、<海のバルコニー>と言われるように、海側の方に、水門に沿ってデッキを造りツーリストたちがプロムナードできる空間を考えています。設計者のワイズマン氏は<そこは瞑想の場所になったり、満ち潮や日没や星の輝きやイリュミネーションを待つ空間になる>と言っています。
この新水門が完成する2年後には橋、シャットルバス、駐車場がつくられていき、やがて堤防道路は壊されて、モンサンミッシェルは海に帰って行くのです。
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