TOPページ  >>  最新情報  >>  アングル展(ルーブル)とセザンヌ展(オルセー)


■アングル展(ルーブル)とセザンヌ展(オルセー)

  ルーブル美術館とオルセー美術館は殆んど時を同じくして2月末より新古典主義の巨匠アングルと近代絵画の巨匠セザンヌのエキスポジションを催しております。したがってこの二人の巨匠の傑作はいつものところには展示されておりません。特にアングルの晩年の作品(<泉>など)はオルセーにも飾られていません。
  理想美を追求したアングルの古典的作品は多くの鑑賞者を惹き付けています。会場が狭いですので、時間によっては大変に混みます。<Violon d'Ingres アングルのバイオリン>と言うとフランス語の慣用句になっているぐらいで、<得意な余技>のことを言います。彼はプロはだしのバイオリン奏者でした。会場にはそのバイオリンも展示されています。メトロ1号線か7号線の駅Musee du Louvre(ルーブル美術館)を出ますと<ヴァルパンソンの浴女>の大きなカケモノが掛けられ、展覧会へと誘っています(写真)。5月15日まで。
  一方、セザンヌ展は尊敬した先輩画家ピサロと組ませ、二人の作品を同時に並べて展示している非常におもしろい試みのエキスポジションになっています。今年はセザンヌ没百周年記念の年です。故郷のエックスでは盛大な回顧展が開かれるようですが、パリではセザンヌがピサロと共に描いたイル・ド・フランスの風景を主に展示しています。これは75%の入館者は外国人という状況を打破し、パリ地方の人たちを刺激したい目論見もあるようです。茨城県が所有するピサロの<ポントワーズの風景>も展示されています。オルセー美術館入り口には巨大なパネル(写真)が立てられて<セザンヌとピサロ展>を案内しています。5月28日まで。
  これら二つのエキスポジションを続けて鑑賞すれば、時代の違い、テーマの違い、絵画手法の違いなど鮮やかに比較でき、お互いを深く理解できることでしょう。






協会編集部



本サイトはフランス日本語ガイド通訳協会(AGIJ)の公式サイトです。
紹介頂く分にはリンクフリーですが、個々の記事、写真等の無断転載はお断りします。